観劇案内 〜小劇場の歩き方〜
2003年 11月11日
■ 予備知識編
・ 小劇場演劇とは
さて。
小劇場のお芝居を観ようと思うが、実際、どうすりゃいいのかわかんない人のためのガイドである。
スレた人は、自分の判断を大事にしていただきたい。
このページの目的は、小劇場未経験の人に、足を運んでもらうことにある。
さて、小劇場演劇とは?
婦人会のツアーが飛天に観に行く森進一の出る芝居とは違うし、ヒロスエの出るミュージカルでもない。
当然、宝塚とも歌舞伎とも違う。
ついでにいうと、旅芸人一座のチャンバラ芝居などとも全然違う。
多くの場合、劇作家(脚本を書く人)が、自分の作品を発表するために劇団を持っている。
ホント、この世界にはとんでもない才能がゴロゴロしているのだ。
若い人(中にはベテランもいるが)たちが集まって、芝居を作って、小さな劇場で上演する。
そんな空間だ。
チケットは有料だが、客数が少ないので経営的には成り立っていない。
自主制作映画的な、表現の手段のひとつだと思ってくれればいい。
・ どういう芝居をやっているのか
だいたい、各劇団のオリジナル脚本である。 できあいの脚本を使う劇団もあるが、経験上、そーゆートコはだいたいハズレだ。 作と演出の欄を見て、ここが同じ人の場合は、オリジナル戯曲である。 例外もあるけど、だいたいそんな感じ。
内容は、ホント、さまざま。 コント的なものや、濃厚な人間ドラマを描くモノや、古典劇チックなものや、芸術的なのとか。 人気のある劇団の芝居は、やはりオシャレでカッコイイのが多い。
はっきりいって、おもんない芝居をやる劇団も多々ある。 こーゆーのは口コミで判断するしかない。
・ どこでやっているのか
近鉄小劇場や阪急FIVEのHEPホールなどの商業施設内の劇場。 大阪ガスがメセナ事業で運営している扇町ミュージアムスクエア。 伊丹AIホールや神戸アートビレッジセンター、森之宮プラネットステーションなどの公立劇場。 一心寺シアターやシアトリカル應典院、昔あった島之内教会などの宗教系劇場。(単なる劇場で宗教色はない)
いわゆる「文化振興」を応援しようとしている企業や自治体やお寺や個人が、劇場を持っている。 だいたい50人から多くても300人くらいのキャパの劇場を、小劇場と呼ぶ。
・ どうすれば観れるのか
芝居をやってる日に劇場に行ってカネ払えば、ほとんどの場合、見ることができる。 けど、人気のあるトコだと、たまーに断られることもある。
私は、MOTHERで、「キャンセル待ちの13番」って言われて、観る気無くして帰ったコトがある。 そーゆートコは、「全席指定」って書いてあることが多い。 自由席だと、何時間も並んでも観れない客が出る恐れのある人気のある劇団だ。
どーしても、そーゆートコを観に行きたければ、前売券を買うことを薦める。 (詳細は以下に述べる) ただし、人気演目は「先行予約」というシステムがあるので、はじめてのときは、いい席を取るのが難しい。 ちなみに私は「G2プロデュース」で、発売日に電話かけて、全公演全席、売り切れだったことがある。 ま、最初っからそんなトコを観に行く必要もない。チケット高いし。
■ 観劇準備編
・ 情報収拾
芝居を観るにゃ、どこでどんなお芝居をやっているのか知る必要がある。 ホームページよりゃ、情報誌が確かだ。 350円出して、「ぴあ・関西版」を買ってきていただきたい。隔週月曜日発売、コンビニでも駅の売店でも売っている。 買ってきたら、おもむろに「演劇スケジュール」のページを開いていただきたい。ハシラを読むのは後だ。 この演劇欄、メジャーな雑誌の割に、マイナーな芝居がたくさん並んでいること、2ページ強。 さて、次は、どれを観に行くか、である。
・ 演目
インターネット上で調べるなら、関西演劇情報がもっとも充実している。
ウチの「公演情報」でもある程度の情報はわかるが、データが入っているとは限らない。 でも、このへんの情報には打ち間違いがつきものなので、情報誌か劇団ホームページで確認するほうがいい。
「iwamomo's time」の「関劇カレンダー」や、「キタで芝居を見る」の「おすすめ芝居」も便利。
「公演情報」では、日程順で公演情報を見ることができる。
劇団・劇場HPへのリンクを提供しているので、そちらもご参考に。
・ 劇団
ある程度知名度のある劇団というのは限られている。
新感線、リリパット・アーミー、そとばこまち、南河内万歳一座、遊気舎。 関西系では、そんなもんかな。 次いで、MOP、MOTHER、ランニングシアター・ダッシュ、MONO、ってトコか。 このへんは、ハズレも少ないが、あまり手軽ではない。 当日、ぶらっと立ち寄るには不適だから。 後ろのほうで立ち見で観ても、あんまおもしろくないし。
ウチのページの「劇団案内」も、多少、参考になるかもしれない。 最近は、劇団ホームページも増えてきたので、Yahoo!などの検索エンジンで探してみるのもいい。
関西演劇情報の劇団リンク集も充実している。
・ 劇場
「ぴあ」の演劇ページには、いろいろな演目のデータが載っている。 劇団名・演目・日時・場所、作・演出・出演者、チケットの値段、連絡先、などが書かれている。 ふつう、場所と値段で、最初のふるいにかける。目安として、チケットが5千円未満なのが小劇場だ。 場所は、ここの劇場案内のページにもいくつかあるが、それ以外ぴあマップなどで調べる。 あんまり遠いようならパスする。なぜって、遠いところまで行ってつまんなかったらハラ立つから。
劇団のクラスというのは、劇場で決まる。集客力のあるところは大劇場でやる。 そして、だいたいにおいて、劇場が大きくなるほど、チケットの値段は高くなる。 三段論法でいくと、チケットの高いところは実績のある、ファンの多い劇団だともいえる。 当然だが、実績がないからといって、つまらないとは限らない。
劇場への行き方がわからない場合、ウチの「劇場案内」か、「ぴあMAP・関西版」で調べる。
ときどき、調べようがない場所でやっていることがあるが、こういうのはチラシを持っていなければわからない。インターネットで検索してみたら、見つかるかもしれないけど・・・。
・ 時間
だいたい、金曜夜、土曜昼・夜、日曜昼・夜の5ステージやることが多い。 観客動員力のある劇団ならもっと多いし、逆に動員力の弱いとこなら少ない。 演劇祭開催中の劇場では、平日のみの場合もある。
ちなみに、最終回の公演は避けたほうがいい。その劇団の身内で満員だ。 最終回の公演は「千秋楽」といって、盛り上がるんだけどね。 初日と土曜日の夜の回が、比較的空いている傾向がある。
ま、自分の都合に合わせりゃいいが、劇団によっては、前半ボロボロだったり、後半は声が嗄れていたりする。 また、日時指定無しチケット(劇団赤鬼など)の劇団は後半はとても混むことが多い。
・ チケット
大きく分けて、チケットには3種類ある。 1.前売券 2.当日清算券 3.当日券 ま、普通、人気劇団を観に行くなら前売券、マイナー劇団を観に行くなら当日券。 2回目の劇団や知人の劇団だと、当日清算券。 前売券はメリットもデメリットもある。 前売券にもいろいろあって、 A.日時座席指定券(開演のの10分前 B.日時指定整理番号付き自由席券(開演の30分前までに劇場到着のこと) C.日時指定整理番号無し自由席券(開演の1時間前から整理番号発行) D.日時指定無し(整理番号も無し)前売券(開演の1時間前から整理番号発行) こんだけ種類がある。 混在することは稀(たまにはある)で、普通どれかに統一されている。 前売り券のメリットは、ちょっと安いことと、当日券よりイイ席が保障されること。 しかし、都合がつかず見に行けなかったとしても返金はされない。 AとBの券は、早く買うほど、いい席が取れる。 座席指定券なら開演の10分前、整理番号付き券なら30分前までに行かないと恩恵はない。 整理番号というのは、番号の早い順で、好きな席を選べる。 チケット予約が早い順で整理番号がもらえる。
Cの券は、観に行く日が確定してから買いに行けばいい。 別に買うのが遅くなったからといって、不利はない。 ローソンチケット(ロッピー端末)なら前日まで扱っている。 劇団扱いなどでは、2・3日前までしか前売券を扱っていないこともある。 Dの券は、予定が確定していなくても、とりあえず買っておけるので、便利。
チケットの購入は、「ぴあ」か「e+」のチケットサービスか、ローソンのロッピー端末を利用する。 もしくは、劇団に直接、電話をかけて注文する。 演劇チケットは伝統的に「ぴあ」が強く、取り扱い演目が最も多い。 最近は、24時間受け付けていてるローソンチケットが人気を伸ばしている。 ファミリーマートでの「ぴあ」取り扱いは、24時間ではない(「ぴあ」営業時間内のみ)ので注意。
劇団に予約すると、当日受付で清算することもあるし、劇団から送金の指示があることもある。 どちらかというと、この方法は、劇団員の知人専用である。
ま、めんどくさければ、よっぽど人気のあるとこ以外なら、当日券で全然、問題ない。
■ 観劇当日
・ 家を出る前に
どの芝居を観に行くか決まれば、あとは準備。 服装も、女性のかたは、ちょっと気を使ったほうがいいかもしれない。 特にパイプイスの劇場では、ミニスカートだと舞台から「まる見え」らしい。
まぁ、気にしないならいいんだけどね。
・ 受付開始
多くの場合、開演(芝居が始まる)時間の1時間前に受け付けが始まる。 人気のある劇団で、当日券で見ようと思えば、この4時間前から並ぶのが相場。 けど、まぁ、熱狂的なファンでもなけりゃ、そこまでして観る値打ちのある芝居なんか無い。 そんだけ並んでもどーせ見えにくい席でしか見れんしね。
自由席の劇場なら、受付開始時間に行けば、だいたいイイ席を取れる。 受付時間前に並ぶ人は、多いトコ(劇団満遊戯賊など)なら30人くらいいることもあるが、稀。
ちょっとマイナーなトコに1人で観に行くなら、開場時間(開演の30分前)くらいに行けばいい。
・ 開場
開場は、開演の30分前。 自由席なら早く行くほどいい席は取りやすいが、特にそれより早く行く必要もないと思う。
ちなみに、「いい席」とは、舞台の「真正面」。 あまり前すぎないほうがよく、舞台がちょうど視野におさまるくらいがベストとされる。 そう、ホントに小さな劇場では、正面の後ろのほうから席がうまっていく。 最前列は、役者さんの唾が飛んでくるよ、ホント。
客層は、若い女の子が多く、ギャグ系の劇団だとさらにこの傾向が強い。 シリアス系の劇団だと、男性客が半数くらいを占めることもある。 そして、ぽつぽつと、劇団員の家族らしき年配の人がいるのがパターン。
小劇場の座席は、近鉄小劇場やKAVCのような比較的大きなところでは映画館のような座席だが、たいていはちゃちい。
折り畳み式のパイプ椅子だったり、幅と背もたれのないベンチのような席(箱馬という)だったり、フェルトを貼った「桟敷」だったりする。
「桟敷」というのは、言うなれば、「地べた」だ。みんなで並んで三角座りをすることになる。 後ろのほうはイス(のようなもの)になってるところと、単にひな段になってるだけのところがある。 とにかくせまい。膝の上に載せきれないほどの荷物があるときは、受け付けで預かってもらうこと。 小劇場は、土足禁止のところが多い。靴下に穴が空いていたら恥ずかしいし、くさい靴下は迷惑だ。 ふつう、入り口で「靴袋」といって、ビニール袋を渡される。これに入るような靴にするべし。 でかいスニーカーやブーツだと入らなくて難儀する。靴袋二つもらえばいいんだけどね。 この靴袋は、ふつう、帰るときに返す。
入場のときに、靴袋といっしょに渡されるのがチラシの束だ。 B5〜A4版のきれいな印刷のもので、割と分量がある。 開演までの間、これを読んで時間をつぶすワケだが、中に、パンフレットとアンケート用紙が入ってる。 アンケートには住所や感想などを書くのだが、これは書いておいたほうがいい。
次回から、DMで「当日清算券」を送ってくれることがある。 これは、当日券でも前売り扱いにしてくれるので便利だ。
自由席で、客席が混んでいた場合、スタッフから「奥に詰めろ」との指示が出る場合がある。 この時、中央より奥に座っている場合は、「指示に従う必要はない」。 まん中のほうが「いい席」なのだ。そのために早く来てるのに、わざわざ見にくい席に移る必要はない。 みんなでブーイングすると、「まん中に向かって詰めろ」と訂正してくれるはず。
開演の前には、ポケベル、ケータイ、時計のアラームなどは止めておくこと。 ちなみに、振動モードもダメ。十分、うるさい。電話がかかってきても、出ちゃダメ。 上演中にベルが鳴ると、舞台上から客席から全員に睨まれて、寿命が縮むことになる。 時計のアラームの止め方がわかんないときは、腕から外してポケットに入れておくこと。
劇場内は、飲食・喫煙・禁止。写真撮影も、ダメ。 ついでに言っておくと、子供を連れていくのもダメ。迷惑だ。
・ 開演
多くの場合、開演時間より、5分から10分遅れて(5分押し・10分押しとかいう)、芝居がはじまる。 開演時間ぴったりくらいに来る客(だいたい劇団員の身内)が多いからだ。
開演前に、かかっていた音楽が大きくなり、一度、照明が落ちると、開演の合図である。
大劇場以外では、映画のようにブザーは鳴らない。
音が大きくなりだしたら、荷物などは、みんな足元に置いてしまおう。 チラシの束を膝に乗せていると、うっかり、そのへんにバラまいてしまうことになる。 (毎回、必ず、誰かがやってる。) ただ、あんま足元を窮屈にしてると2時間前後の時間座ってるのがツラいので、そのへんも注意。
開演後は、物音を立てずに、静かに観劇しよう。 友達と行っても、私語は厳禁だ。
・ 終演
終演後は、盛大な拍手。暗転している間に拍手をすると、たまにフライングになることがあるので注意。 帰りは、アンケートに記入して、さっさと帰る。
最近の宛て名入力ソフト(年賀状作成ソフトなど)は、電話番号から電話帳データを検索して、住所を入力することができる。(地名は読み方がわからないことが多いので便利)
アンケートの「電話番号」は、宛て名入力ソフトで利用するのだろうと推測できるので、ケータイの番号を書いちゃうと意味無いかも。 ちなみに、私は過去数百枚のアンケートを書いたが、劇団側から電話がかかってきたことは一度も無い。 FAXは、たまに公演案内を送ってくるところがある。(割とうっとおしいので、私はFAX番号は書かない)
筆記用具を用意してくれるところもあるが、そうでないところもあるのでペンを用意していこう。
靴を入れてたビニール袋は、再利用するので、帰りに受付で回収している。 勝手にゴミ袋にしたりしないように。
■ おまけ
・ 芝居を観たら
次回からは、どっさりもらったチラシから、観に行く芝居を決めればいい。 あらすじや劇場までのアクセスなど、必要な情報が手に入る。
もし観た芝居を気に入ったら、パンフレットの「スペシャルサンクス」を観るといい。 そこに書かれている劇団は、そちらを観に行っても系統が似ていることが多い。(保証はせんけど)
家に帰ったら、忘れないにうちに感想とか、印象とかを、メモしておこう。 なぜかというと、映画と違って、芝居は上演データが残らないから。 5年後、チケットの半券をみつけても、どんな芝居だったか思い出せないもんやし。 できれば感想を「観劇速報」に書き込んでいただきたい。 (書き込む前に「自己紹介ボード」への登録もよろしくね!)
あと、ホームページを持っている劇団なら、感想をメールしてもいい。
たぶん喜んでもらえるでしょう。
普通、制作の人か主催者の人が、メールを管理していることが多い。 シナリオ上のよくわからなかった点などを尋ねても、たいてい快く教えてくれるはず。
そんな感じ。まだ観劇未経験のかたが、これを読んで劇場に足を運んでくれることを願います。
Written By KKN和田 (wada@kangeki.gr.jp)
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